賃貸物件の仮予約(仮申込、仮押さえ、キープ)はできると思いますか?
気に入った部屋が見つかったけど、別の物件も見てみたい。
他の物件を見ている間に無くなってしまうのでは?
と、心配している方。
今回は仮予約の仕組みや方法について解説いたします。
悩み、疑問
- 気に入った物件を仮予約したい
- 仮予約にお金はかかる?
- 仮予約のキャンセルにお金はかかる?
- 先行契約、先行申込ってなに?
- ベストな選択は?
この記事の見解
結論から言うと仮予約は、出来る場合と出来ない場合があります。
不動産屋に確認が必要です。
実は仮予約をしたいと考えている方は、かなり多いです。
理由は、気に入った部屋を失いたくない、他の物件と比較したいからです。
賃貸物件の申込は先着順です。
悩んだり、他の物件の内覧をしていると、気に入っていた部屋に限って無くなります。
では何故気に入った部屋から無くなっていくのでしょうか?
あなたが気に入った部屋は、他の方も気に入る可能性が高いからです。
よって、仮予約をできるかどうかが、良い部屋を逃さないポイントとなり得るのです。
結論
- 仮予約はできる場合がある。
- 仮予約ができない場合、契約をする必要がある。
- 仮予約の可否は、不動産屋に確認。
- 仮予約に費用がかかる場合がある。
- 予約キャンセルは、費用がかかる場合がある。
- キャンセルの乱発はマイナス、軽い申込は避ける。
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
現在は年間約200本の賃貸借契約がメイン。
「満足度の高い取引の達成」を目指しましょう。
このサイトは、コンプライアンスを重視します。
常識から逸脱する行為は、事例として紹介することはありますが推奨はできません。
また、筆者の経験から派生した主観が含まれます。
ご意見、ご質問などお気軽にコメントください。
この記事を読むと得られる事
- 賃貸動向と実情の把握
- 賃貸知識と知恵の習得
- 取引の疑問と不安解消
- 判断力、対応力の向上
それでは細かく見て行きましょう。
仮予約、仮申込、仮押さえの意味と効果
前提として、仮予約とは部屋を確保するための手段です。
分かりやすく言うと「とりあえずキープ」です。
他にも賃貸業界には、部屋を確保するための手段として、特有の呼び名があります。
まずは呼び名と意味合いを整理していきましょう。
- 仮予約、仮申込、仮押え → 内覧後、一時的に部屋を確保、キャンセルできる
- 申込、本申込 → 内覧後、部屋を確保、キャンセルできない
- 先行申込 → 未内覧で、一時的に部屋を確保、内覧後に契約、キャンセルできる
- 先行契約 → 未内覧で、部屋を確保、内覧前に契約、キャンセルできない
- 1番手 → 最優先で部屋を確保することができる
- 2番手 → 2番目の順位で部屋を確保することができる
表にするとこんな感じです。
仮予約、仮申込、仮押え、キープはできる?
仮予約はできる場合と、できない場合があります。
貸主や不動産屋、管理会社の意向によります。
仮予約の可否は、不動産屋に確認しましょう。
仮予約ができない理由は、損失の可能性がある為。
何故損失が出るか、キャンセルができるからです。
仮予約からキャンセルまでの期間、家賃収入はありません。
仮予約の期間が長いほど、キャンセルになった時の損失は大きくなります。
よって貸す側の考え方次第で、仮予約は断られます。
仮予約の乱発は避けた方が良いでしょう。
キャンセルは、不動産業者に悪い印象を与えかねません。
個人情報もばら撒くことになります。
例えば電気屋で気に入った商品は、その場でお金を払い購入します。
賃貸物件も本来、気に入った部屋はお金を払えば契約できます。
その場でお金を払うくらいの熱意がなければ、欲しい商品ではないということです。
逆に仮予約は、借りたいという熱量が低いとも捉えられます。
電気屋と賃貸契約の違いは「申込」という作業があることです。
申込と入居審査の作業が、良くも悪くも考える猶予を与えてしまうのです。
他の物件と悩んでいる場合、正直に伝えてみましょう。
不動産業者から、仮申込の打診があるかもしれません。
自身からの依頼ではない為、キャンセル時の印象は軽減されます。
予算で悩んでいる場合、価格交渉をしてくれる場合もあります。
相談した担当者により、満足度は大きく変わります。
仮予約(仮押え、仮申込)の特徴
仮予約は契約が必須ではありません。
内覧後、他の物件と悩んだ結果、キャンセルすることができます。
借主にとって都合は良いのですが、貸主にとっては損失となります。
例えば仮予約期間が1週間だった場合、少なからず募集に影響が出るからです。
契約できるか分からない1番手がいる予約物件、見学しますか?
そして1週間後にキャンセルとなった場合、1週間分の家賃が損失扱いとなります。
もちろん快く引き受けてくれる場合もありますが、敬遠されがちなのです。
都度、不動産屋に確認をしましょう。
申込(本申込)の特徴
王道の手順です。
内覧を実施し、気に入った物件に申込むという一般的な流れです。
問題が発生しにくく、大きなリスクを伴うことはありません。
先行申込の特徴
内覧ができない場合、先行申込を受付してくれる場合があります。
基本的には仮申込と同様です。
違いは内覧ができないということです。
先に部屋を確保し、内覧後にキャンセルをすることができます。
退去前の物件や新築物件、遠方の物件などで使われます。
具体例↓
- 気に入った新築物件があるが、見てから決めたい
- 退去予定の部屋の契約を考えているが、見てから決めたい
- 地方に(地方から)転勤になった、すぐに行けない為、次行ったタイミングで見てから決めたい
仮予約同様、貸主にとっては損失リスクがあります。
3ヶ月前に新築の先行申込を受付、1ヶ月前の内覧でキャンセルになったら、2ヶ月無駄にした計算になります。
先行申込が可能か、不動産屋に確認をしましょう。
先行契約の特徴
先行申込が不可の場合、先行契約をしましょう。
先行契約は、未内覧で契約することです。
内覧後のキャンセルはできません。
部屋を確保するという意味では最も確実で、断られにくいです。
しかし、未内覧のリスクを伴います。
よって筆者はおすすめしませんが、こんな方には向いています。
- そもそも見学に行けない(距離や時間の都合)
- 物件に対するこだわりが少ない
- 別の部屋を見たことがある(友人が住んでいて遊びに行ったことがある)
- オンライン内見で、概ね判断することができた
- パノラマ写真で、概ね判断することができた
- 倍率の高い物件(人気エリア、人気物件、内覧前に無くなる可能性がある)
- 法人契約
キャンセル料はかかる?
最後に費用がかかるかを確認しましょう。
結論、基本的に費用はかかりません。
仲介業者が授受できる金銭は、仲介手数料のみとなります。
しかし契約済みであったり、申込書や念書に記載されている場合、費用を請求される場合があります。
こちらも不動産屋や貸主の意向により異なります。
- 例1 申込金なし、キャンセル料なし
- 例2 申込金30,000円、申込キャンセル時、返金される
- 例3 申込金30,000円、申込キャンセル時、返金されない
- 例4 契約後キャンセル、契約解除料、違約金等が請求される、または支払い済みの費用が返金されない 等
まとめ
- 仮予約はできる場合がある。
- 仮予約ができない場合、契約をする必要がある。
- 仮予約の可否は、不動産屋に確認。
- 仮予約にお金が必要な場合がある。
- 仮予約をキャンセルする場合、お金が必要な場合がある。
- 最終的には自己判断。
仮予約は本当に迷っている場合のみ正直に相談し、可能であれば活用すると良いでしょう。
本気度の低い「とりあえずキープ」は信用度の低下を招き、個人情報をばら撒くことになるため、控えましょう。
人気エリアや人気物件は募集後すぐに無くなります。
この記事を読んでいる方も、気に入った部屋を失った経験があると思います。
その経験は、当然ライバルにもあり、先行契約を誘発します。
人気エリアで部屋の確保を優先したい方は、リスクを踏まえ先行契約を有効活用しましょう。
くれぐれも判断は慎重に。
部屋探しはタイミングです。
引き続き頑張りましょう。
にほんブログ村