毎年恒例の借りて住みたいランキング2022が発表となりました。結果二年連続で本厚木が一位となりました。
なぜ本厚木なのでしょう?
ちなみにこのランキングは、様々な媒体で開催されており、その媒体により結果は異なります。
今回のランキングはLIFULL HOME’S主催の、LIFULL HOME’S ユーザーを対象としたアンケートです。
以前からありましたが、昨年本厚木が1位になった事で、その意外性が話題になり、ニュースになり、特に注目されるようになりました。
結論
人気の理由
- 郊外
- 便利
- 割安
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
現在は年間約200本の賃貸借契約がメイン。
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この記事を読むと得られる事
- 賃貸動向と、実情の把握
- 賃貸知識と、知恵の習得
- 取引の疑問と、不安解消
- 判断力と、対応力の向上
それでは細かく見て行きましょう。
郊外の定義はこちら「都市の周辺にあって、森林・田畑などが比較的多い住宅地区」となります。
本厚木はまさに郊外中の郊外、郊外と呼ぶにふさわしい駅でしょう。
森林・田畑はもちろん、山林や川、キャンプ場、温泉、ゴルフ場や公園など、自然が豊かな土地なのです。
また、隣の愛川町も同様、さらに自然が多く、週末の川ではバーベキューで賑わいます。
愛川町には駅がないため、愛川町の住人は基本的には本厚木駅を利用します。
本厚木で探す方は愛川町も自動的に候補に上がってくるのです。
そしてなぜその郊外に注目が集まっているかというと、新型コロナウイルスです。
リモートワークの普及により、通勤する必要がなくなり、人口の集中を避け、密を避け、どこに住もうかと考えた時に候補に上がるのが本厚木なのです。
本厚木は郊外であるにも関わらず利便性が高いと言えます。
まずは小田急線。
新宿まで約50分、ロマンスカーも停まります。滅多に出勤しないのであれば、窮屈な都心にいる必要がなく、問題も特になく十分便利だという考えが増加しました。
厚木市の人口は約22万人。
なのに駅は本厚木駅たったの1個。近所の大和市を見てみると、人口24万人の規模で駅は8個。厚木市、少なすぎます。
何故少ないか、それはバス便(神奈中バス)が充実しているからです。
ちなみによく間違えるのが「厚木駅」です。厚木駅は海老名市にあり、本厚木の隣にあります。
本厚木の由来は昔、海老名市が厚木の名前を借りて駅を作り、本当の厚木という意味で厚木の駅を本厚木にしたとか。
本厚木はターミナル駅ではありませんが、バス便を「路線」として考えると、そこそこのターミナル駅と同等、またはそれ以上に乗り入れの多い、大きな駅であると言えます。
実は「私鉄乗り換え無し駅」の乗降者数ランキングでも本厚木は1位なんです。
さらにもう一つ関係するのが、数多く厚木市に拠点を構えている大手企業です。
- ソニー厚木テクノロジーセンター
- 日産テクニカルセンター(NTC)
- アンリツ株式会社
- 日立Astemo厚木工場
- リコー厚木事業所
- プレシア本社工場
- オーイズミ本社
企業の顔ぶれがすごいですね。
実際にこういった企業の関係者は、数多くの来店と契約の実績があります。
それだけ駅が大きく、大きいという事は自動的に商業施設が充実します。
郊外なのに利便性が高いという事は納得できます。
正直1位の理由はこれです。
安いです。
まず、都心に住まない理由は「高い家賃を払ってまで、都心に住む必要がなくなった」と言えます。
逆にいうと「郊外でも良いので、家賃を安く抑えたい」「同等の家賃で、さらに良い住環境を手に入れたい」という事が言えます。
本厚木はそんなニーズに応えるうってつけの駅であると言えるのではないでしょうか。
実際の体感としては、隣の海老名の方がららぽーと等ができた事もあり確実に勢いがあります。
茅ヶ崎、辻堂、藤沢、鎌倉エリアの湘南地域は、本厚木とは比較にならないほど人気があるといえます。
横浜、川崎エリアはさらに別次元の人気を誇ります。
なぜ本厚木なのでしょうか。
ランキングに違和感があるかたも多いですよね。
違うんです、安いからです。
仮に家賃が全駅一律であれば1位になる事は難しいでしょう。
安い理由としては供給が多い、とも言えます。
供給が多いという事は、いろいろ選択出来る、という事です。
藤沢等の人気駅は、常に需要があるため賃料が高額、かつ人口が集中しています。
高額で人口が多いとなると目的を達しにくいのです。
都心と比較すればまだ安いです。
しかし少し安い程度では魅力が半減し、人気ランキングには入りにくい、という事が推察できます。
結論、人気の理由は「郊外」で「便利」なのに「割安」という事をお分かりいただけましたでしょうか。
- 郊外
- 便利
- 割安
最後に実際におすすめかどうか、私なりの意見となりますが、徒歩圏で割安感があればおすすめ、ですが本厚木である必要はないと思っています。
実際の反響としても、実際に行動を起こしている人は、多少増えた印象はあるものの、コロナ前と然程変わりはないといえます。
では本厚木駅徒歩圏の物件は?というと、割安とは言えない物件も数多くあるのです。
割安でなければ別の駅でも十分に要望を満たすことができる可能性がありますよね。
車を所有し駅もほとんど使わないのであれば、逆にバス便の物件が狙い目となります。
特に愛川町方面は激安ですよ。
専門家の見解では、将来的に郊外需要は収まると言われています。
これが正しければ、コロナの終息と共に、本厚木の人気も収まる、ということです。
基本的には利便性を踏まえ、駅を基準として考えるべきです。
くれぐれもお部屋探しは慎重になさってください。
部屋探しはタイミング、恋愛と一緒です。
ではまた。