今回は部屋探しをしている方に向け、仲介手数料とは何か、解説したいと思います。
仲介手数料は交渉できるよ、とか、無料にしてくれた、等と聞いたことはありませんか?
実は仲介手数料は不動産業者によって違います。
理由は手数料は賃料の1ヶ月分以内であれば、いくらでも良いのです。
結論
- 仲介手数料とはお部屋を借りるときに仲介者に対し払う費用。
- 基本は家賃の50%、最大で100%、交渉できる可能性は有り。
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
現在は年間約200本の賃貸借契約がメイン。
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また、筆者の経験から派生した主観が含まれます。
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この記事を読むと得られる事
- 賃貸動向と実情の把握
- 賃貸知識と知恵の習得
- 取引の疑問と不安解消
- 判断力、対応力の向上
それでは細かく見て行きましょう。
まず初めに仲介手数料とは、賃貸物件を契約する時に不動産屋に支払う手数料です。
ではこの費用は何に使われるのか、不動産屋が何をしているかを解説していきます。
不動産屋はお客様に部屋を紹介するために、部屋の募集準備から始めます。
退去があると貸主や管理会社から、空室情報が公開されます。不動産屋は何らかの手段でその情報を入手します。
入手方法としてはアットホームやレインズといった、不動産業者が見る事のできる専門サイトの媒体から入手する場合や、管理会社や建設会社から入手する事が多いです。
そしてその物件を確認し、写真を撮影し、その物件を自社ホームページや店頭、ポータルサイト「SUUMO」「アットホーム」「HOMES」等に掲載し反響を待ちます。
お問合せがあれば資料や見積りを提示し、見学の依頼があると、鍵を準備し事前に部屋に行き、シャッターを開け、換気を行い、スリッパを準備し、必要であれば清掃を行いお客様の内覧を実施ます。
申し込みとならなかったら、当然それでその部屋の案内は終了、費用などは一切いただきません。
申込となった場合は、申込書類をまとめ、入居審査を行い、契約書を作成し、重要事項説明を行い、引き渡しをする、といった流れです。
こういった一連の作業にかかる費用を仲介手数料としていただくのです。
経費はそれなりにかかっている、という事をお分かりいただけると思います。
仲介手数料は賃料の0.5ヶ月分+消費税です。100,000円の賃料であれば、仲介手数料は55,000円(税込)です。
負担割合(%)はこのような感じです。
あれ?と思った方、その通りです。
仲介手数料を1ヶ月分払った事ありますよね?
紛らわしくて申し訳ございません、仲介手数料は1ヶ月分としている不動産屋の割合は多く、どちらも違法ではないのでご安心ください。
もう少し言うと、不動産の取引には宅地建物取引業法という法律があり、その法律では上限を超えて請求してはいけないとされています。
お堅い感じで言うと、賃貸借契約における仲介手数料は、貸主・借主から合計で1ヶ月分で、承諾を得ている場合を除きそれぞれ0.5ヶ月以内とされています。
要するに、借主が承諾していれば、1ヶ月分まで請求できるという事です。
1ヶ月分払った事のあるあなた、振り返って考えてみましょう。
書面などで承諾していませんか?
申込書や契約書に小さく書いてあったり、大体が募集資料に借主100と書いてあると思います。
これは借主が100%(1ヶ月)負担という意味です。
仲介手数料1ヶ月と書いてある図面を見て申込をする形になるので、これを承諾している、ととらえる不動産業者もあります。
仲介手数料といえば昔は1ヶ月が当たり前でしたが、最近は借主0.5ヶ月負担の物件(不動産屋)も増えています。
客付0も基本的にはありません。不動産屋が紹介する意味がないからです。
では仲介手数料は支払う必要があるのでしょうか?
答えは必要です。
始めに述べましたが、仲介会社は募集、契約のためにお客様には知らないところで経費がかかっています。
仲介会社は通常この手数料がないと存続できません。
様々な場面でお世話になっていると思いますので、ぜひ支払ってください。
不動産業者によっては割引をしてくれる場合があります。
賃貸物件は一つの賃貸物件を複数の不動産会社で募集していることがあり、この場合は他社で契約されるよりは良い、という理由で手数料を割引いてくれるのです。
タイミングにもよりますが、10%から50%くらいまで割引いてくれる可能性はありそうですが一切割引ができない不動産屋もあります。
安い電気屋さんを探すようなイメージでも良いかもしれません。相性の良いスタッフから家電を購入したことはありませんか?
不動産屋も担当の方の相性で良い取引かそうでないか大きく別れる場合もあるのです。
ちなみに家賃は基本的に仲介業者は変更できません。
交渉はしてくれる場合があります。
仲介業者が操作できるのは仲介手数料だけで、他社との競争になるのはこの部分だけなのです。
例えば貸主から直接借りる場合は、仲介者がいないので、そもそも仲介手数料が発生しない、ということもあります。
貸主が直接募集していれば良いのですが、仲介業者が募集している物件の貸主を、一般の方が検索、特定することは結構厳しいです。
また、特定できたとしても貸主との直接契約は拒絶される事も考えられます。
他にも仲介手数料を1ヶ月分を支払うことに承諾した覚えはない、等の訴訟なども起きており、近年不動産業者は仲介手数料に対し慎重になっています。
管理会社やオーナーの意向で0ヶ月(貸主100%負担)なんていう物件もあります。
この辺のカラクリはこちらの記事でお伝えしたいと思います↓
仲介手数料、なぜ無料?なぜ半額?無料は怪しい?からくりや理由を解説。仲介手数料、意外と奥が深いですよね。
単純に1ヶ月と聞いて、高いと感じる方も多いと思います。
というか1ヶ月の根拠は漠然としているように感じます。
30,000円のアパートも200,000円のマンションも取引としては同じ、作業も同じ。
準備や案内や契約の手間も同じ、でも手数料は物件が高いと比例して上がっていくのです。
不動産屋の作業内容は同じなのに何故手数料が上がるのでしょうか。
それは責任の重さ、何かあった時の担保のような意味合いがあるようです。
賃料が安い物件の方がお得だと感じますよね。
意味合いとして理解はできますが、違和感はあります。
賃貸は複数部屋がある為、取引事例を基にトラブル対策ができ、売買と比較しても明らかにリスクが低といえます。
取引は取引、安かろうが高かろうが、どちらも大変だし手を抜くわけには行きません。
安いからしょうがない、高いのに不親切だ、と言う考えもわかります。
どれだけ案内しても成約しなければ0円です。
動いた分だけ報酬をもらえる方法がないかと感じる不動産屋もあるのではないでしょうか。
仲介手数料とはお部屋を借りるときに仲介者に対し払う費用。
基本は家賃の50%、最大で100%、交渉できる可能性は有り。
という事をお分かりいただけましたでしょうか。
疑問点や違和感もありつつ、このルールにはどっぷり浸かりきっている私。
ルールとしては単純明快で分かりやすいのも事実です。
どんな取引においても手を抜かず、真摯に誠実に向き合って行きたいと思います。
ではまた。