今回は部屋探しをしている方に向け、鍵交換代や消毒代等、付帯商品、付帯サービスの支払い義務について解説します。
この記事はこんな方におすすめです。
- 契約金でよく分からないお金がある
- 鍵交換代って支払わなければいけないの?
- 室内消毒ってやらなければいけないの?
- 火災保険は加入しなくても良い?
- 付帯商品は交渉できる?
結論
- 付帯商品は法律上の支払い義務は無し
- 契約上の支払い義務は有る
- 交渉できる可能性も有り
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
現在は年間約200本の賃貸借契約がメイン。
「満足度の高い取引の達成」を目指しましょう。
このサイトは、コンプライアンスを重視します。
常識から逸脱する行為は、事例として紹介することはありますが推奨はできません。
また、筆者の経験から派生した主観が含まれます。
ご意見、ご質問などお気軽にコメントください。
この記事を読むと得られる事
- 賃貸動向と実情の把握
- 賃貸知識と知恵の習得
- 取引の疑問と不安解消
- 判断力、対応力の向上
それでは細かく見て行きましょう。
付帯商品とは?付帯サービスとは?
賃貸借契約を行う時に支払う、代表的な費用は敷金や礼金、仲介手数料ですが、その他に発生する費用がいくつかあります。
ここではその具体例と目安金額をご紹介します。
- 鍵交換代 15000円前後 / 入居時のみ
- 室内消毒代(虫駆除、抗菌、消臭等)15,000円前後 / 入居時のみ
- 火災保険料 20,000円前後 / 2年
- 消化器 1本 5,000円前後
- 24時間サポート(ライフサポート) 10,000円前後 / 1年
- 浄水器、浄水シャワー 1,500円前後 / 月
- 保証会社 初回50%〜100% 月額1〜3%
以上、いかがでしょうか、何か見覚えがあったり、聞き覚えがあったりしませんか?
全てではありませんが、最低でも1、2個は、資料に書いてあったり、お部屋の契約をする時に一緒に請求される事があります。
付帯商品の詳細内容
- 鍵交換代
お部屋の鍵を新品に交換し、防犯性能が高まります。 - 室内消毒代(虫駆除、抗菌、消臭等)
スプレーなどによる施工、除菌、消臭またはゴキブリ等の虫を抑制します。 - 火災保険料
火災保険に加入し、火災発生時に家財の補償や損害賠償の費用を負担してくれます。 - 消火器
室内に設置し、火災発生時に火を消す事ができます。 - 24時間サポート
トラブル時に相談窓口を利用可、相談事の対応、駆け付け作業等を無料で受けられます。 - 浄水器、浄水シャワー
浄水器のフィルターを定期的に配布、綺麗な水を使用する事ができます。 - 保証会社
家賃を滞納した場合、一時的に立て替え支払ってくれます。
デメリットは使用しない場合がある、と言う事です。
使用しない商品、サービスは全てが無駄な費用であると言えます。
人によりますが、これらのサービスは不要、使わないと言う事が少なからずあります。
かといってそんな事を知っている方は少なく、基本的には不動産屋に言われるまま契約するという方が大半です。
しかも、その費用が割高であったり、自身の生活や部屋に見合っていない可能性もあるのです。
一項目毎に人それぞれ違う考えがあるのです。
本当に必要かじっくり考えましょう。
付帯商品は外せる可能性がある
では実際に付帯商品は外すことができるのでしょうか。
結論、外せる可能性はあると言えます。
宅地建物取引業法上認められている費用は、仲介手数料(貸主・借主、合わせて)1.1ヶ月まで、です。
付帯商品は法律上認められている費用ではない、法律上の支払い義務はありません。
付帯商品の契約が「必須」とされている場合、契約上の支払い義務はあると言えます。
家賃や駐車料などと同様、契約条件として設定されている以上、支払わないと契約できない、ということになります。
火災保険に関しては、加入義務があったとしても、保険会社を強制指定する事はできません。
本来保険は自身で調べ、希望の保険会社を自身で選択する事ができるので、補償内容によりますが安く抑える事もできるのです。
火災保険に関してはこちらで詳しく解説しております。
では、逆に付帯商品が「任意」の場合はどうでしょう?
当然、外すことができます。
比較的、鍵交換はと火災保険、保証会社は「必須」それ以外は「任意」となっている事が多い、という印象です。
ただ、任意の場合であっても仲介業者は言葉巧みにこの付帯商品を勧めてきます。
少しでも利益を上げる為です。
ノルマを設定しているような不動産会社もあります。
例えば
「消火器はほとんどの方が申込されてますよ」
とか
「24時間サポートは付けておかないと、何かあった時に心配ですよね」
のような事を言われると、念の為とついその場でお願いしてしまう人も多いのです。
契約金総額が50万だとしたら、安く感じてしまうんですかね。
そして実際は消火器を購入したことも忘れ、サポートがある事も忘れ、全く利用しないまま解約を迎える方が、数多くいるのです。
交渉のポイント、具体例
みなさんがお悩みなのは、支払いが「必須」の場合にどうしたらよいか、ですよね。
実際の交渉やポイント、具体例を紹介します。
気に入った物件があったら、できれば3社から見積りをもらい相場をつかみましょう。
SUUMOなどのお問い合わせフォームから見積もりを依頼しましょう。
業者により見積もり金額が異なる場合があります。
見積もりを断り来店を求められたら、その業者は注意した方が良いかもしれません。
基本的に見積りは無料でいつでも開示できます。
1部の物件を除き、不動産業者は同じ物件を紹介することができます。
交渉の基本は、申込前です。
一通り内覧が終わり、気に入った物件があったら、申し込みをする前に交渉をしましょう。
言い方としては「割引をしてくれたら申込みをしたい」という感じです。
不動産業者によりますが比較的高い割合で免除、もしくは外せない代わりに別の部分でサービスしてくれたりする場合もあります。
- 鍵交換はしなくても気にならない(自分で交換したい)のですが、外せませんか?
- 室内消毒はアレルギーがあるので、外せませんか?
- 虫駆除は自分でバルサンをやりたいので、外せませんか?
- 火災保険は会社(学校)指定、またはインターネットの割安な保険に入りたいので、外せませんか?
- 消化器はキッチンの奥にしまい、確実に忘れてしまうので、外せませんか?
- 消火器はホームセンターで買うので、外せませんか?
- 24時間サポートは身内が近くにいるので、外せませんか?
- 水道水でも抵抗がないので、浄水器(浄水シャワー)を外せませんか?
- 保証会社は保証人を立てるので、外せませんか?
鍵交換を外して欲しいという人は少ないのですが、鍵交換以外は、実際の問い合わせとして相談される事がとても多いです。
鍵交換についてはこちらも参考になさってください。
申込後の交渉は信頼度が低下します。
申込みとは提示の条件や金額を納得した上で願い出る行為です。
一度は納得して申し込みをした事になります。
それを自ら覆すという行為は、不信感を抱かれ、入居後もあれこれ言われるのでは、と警戒します。
そもそも交渉を一切受け付けない不動産業者があったり、交渉がきっかけで入居を断られる場合もあります。
くれぐれも入居審査がある、という事をお忘れなく。
どうしても納得いかない場合、交渉に応じてもらえなかった場合は、縁がなかったと気持ちを切り替えて別の物件を探しましょう。
ただ時間をかけて折角見つけた気に入った物件を、付帯商品のせいで諦めるという事は、少し勿体無いと私は感じます。
相性の良い物件との出会いはとても貴重な出会いである、と言えます。
心底気に入った物件であれば、交渉を諦めて支払う方がメリットがあるのかなと感じます。
まとめ
付帯商品は法律上の支払い義務は無し、契約上の支払い義務は有るが交渉できる可能性も有ります。
付帯商品は全てが悪いわけではありません。
是非お願いしたい、お願いして良かったと、本当に喜ばれている商品があるのも事実です。
個人的に疑問視しているのは強制で契約させられる事があるという事です。
本人が不要と思うのであれば外すべきです。
賃料や駐車料は必ず払う必要があるのは理解できます。
不要なものにお金を払うという事が問題なのです。
必要ですよね、と言って、テレビを売りつけているようなものです。
人により不要な物はあるのです。
これも貸手市場の名残なのでしょうか。
よろしければ、もう一つ大事な「家賃交渉」も参考にしながら実践してみてください。
費用は意味合いをしっかりと理解し支払う事が大切です。
不明な費用がないよう、しっかりと確認し、理解した上で支払いましょう。
気持ちの良いお取引になることを願っています。
部屋探しはタイミング。
ではまた。