賃貸物件においてエアコンを取り外した際の跡について、悩んでいませんか?
本来は設置時に確認すべき事項ですが、今回はエアコンを取り外した際の設置跡の修復方法、費用、原状回復の義務や注意点について解説いたします。
あなたの悩み、疑問
- エアコンを撤去する時の注意点は?
- エアコン設置跡、穴は請求される?
- エアコン穴が残ってしまった。
- エアコン跡は隠せない?
- エアコン跡の修復方法は?
この記事の見解
結論から言うと、エアコン跡は退去時に請求される場合があります。
原則の考え方としては、エアコン設置跡は貸主負担です。
しかし貸主や物件、契約内容により異なります。
エアコンの設置跡が残ってしまった場合、まずは契約書を確認しましょう。
また、自己責任となりますが、エアコン跡はご自身で補修することも可能です。
この記事を読み費用負担者と費用を確認し、必要に応じ補修を検討してみましょう。
結論
- エアコンの設置跡は原則貸主負担
- 契約書の内容によっては借主負担
- 補修費用の目安は1万円前後
- エアコンの穴は隠せる
- 請求された場合は価格交渉
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
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この記事で得られる賃貸情報
- 動向と実情の把握
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エアコンを撤去する場合の注意点
賃貸物件に設置したエアコンを撤去する場合の注意点は下記の通りです。
賃貸物件の契約書には、エアコン設置に関する規定が書かれている場合があります。
- 設置(穴あけ工事)禁止
- 所有者の事前許可が必要
- 解約時エアコン撤去が必須
- エアコン1台設備
- エアコン1台残置
基本的にエアコンの設置は認められていることが多いです。
物理的に設置ができない物件や、貸主の意向により禁止されている場合もあります。
エアコン設置が認められている場合、設置時は撤去も義務付けられていることが多くあります。
また、エアコンは貸主が設置した設備の場合や、前入居者が設置した残置物の場合もあります。
貸主が設置したエアコンは、契約上の設備となり撤去をしてはいけません。
残置物のエアコンは、修理費や撤去費が借主負担とされている場合があります。
本来、契約時やエアコン設置時に確認すべき内容ですが、改めて確認してみましょう。
エアコン本体や室外機を取り外す際には、配管や電源ケーブル等、適切に取り外す必要があります。
素人が自分で取り外すと、建物に損傷を与えたり、冷媒ガスの処理や高所作業による危険も伴います。
よってエアコン撤去は専門業者に依頼することが望ましいと考えられます。
契約上撤去が不要の場合、設置したまま退去することができますが、基本的に買取などはしてくれません。
エアコンの撤去後は、エアコンの設置跡や壁に開けられた穴が残ります。
エアコンを設置跡は、賃貸物件の所有者や管理者から、設置前の状態に戻すことが求められる場合があります。
契約内容により、元の状態に戻す原状回復(撤去後の修繕)義務が発生します。
原状回復の内容は賃貸借契約書により異なるため、契約書の条項を確認する必要があります。
原状回復が契約書に明示されていない場合でも、賃借人に修繕費用を負担する義務が課されることがあります。
補修手段としては穴を埋める、塗装をする、クロス張替えをする等が一般的です。
状況によっては完璧に元の状態に戻すことが難しい場合もあります。
例えば、壁材や塗装の種類によっては、穴を埋めても目立つことがあるため、追加の修繕費用が必要になることがあります。
なお、エアコンの施工業者によっては、穴埋めや塗装を含めた工事を一括で請け負ってくれることがあります。
補修をしたとしても別途修繕費が必要になる場合があるため、管理会社や所有者と相談し、適切に対処することが大切です。
エアコンの取り外しには専門の業者に依頼することが望ましいです。
業者選びにあたっては、以下の点に留意することが重要です。
- 業者の実績や信頼性を確認する
- 料金や作業内容を明確にしてもらう
- 作業完了後の清掃や撤去物の処分を含むかどうか確認する
以上の注意点を踏まえて、エアコンの撤去作業を依頼しましょう。
エアコンを撤去する場合の費用
エアコンの撤去処分費や移設費は、地域や業者、エアコンの種類によっても異なるため、一概に金額を指定することはできません。
一般的な目安としては以下のような金額帯が挙げられます。
- エアコンの撤去処分費:1台あたり5,000円から20,000円程度
- エアコンの移設費:1台あたり10,000円から30,000円程度
これらはあくまでも目安であり、エアコンの種類や取り付け場所、作業の難易度、業者の料金設定などによって異なる場合があります。
また、エアコンの撤去処分費や移設費は、契約書や管理会社とのやりとりによって費用の負担が変わる場合もあるため、事前に確認しましょう。
なお、エアコンの取り付けや撤去には、賃貸住宅の場合は原則として専門の業者に依頼する必要があります。
そのため、業者選びには信頼性や経験などを重視し、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
事前にこのようなサイト↓参考になさってください。
エアコン跡は借主の責任?
借主は賃貸物件を借りるときに、原状回復義務を負うことになっています。
つまり、借主が入居する前の状態に物件を戻すことが求められます。
原則エアコンを設置した場合、元の状態に戻すことが必要になります。
これは、借主がエアコンを設置したことで物件に変更を加えたためです。
また、エアコン自体は借主の都合で使用するものであり、取り付けた借主がメンテナンスをする必要があります。
よってエアコンの設置跡は借主の責任とされることが多いのです。
そしてこの費用は預けてある敷金から相殺されたり、敷金が無い場合は別途支払う必要があります。
しかし、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでは下記のように定義されています。
エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡
エアコンについても、テレビ等と同様一般的な生活をしていくうえで必需品になってきており、その設置によって生じたビス穴等は通常の損耗と考えられる。
賃貸人の負担となるもの
エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
原状回復をめぐるトラブルとガイドラインとは
国土交通省住宅局が発行しているガイドラインで、賃貸住宅における原状回復の問題について、貸主と借主の双方が適正な対応を行うための指針となっています。
このガイドラインによると、エアコン設置によるビス穴・跡は、貸主が費用を負担する、とされています。
しかし、次のような場合、補修費用を負担しなければいけないと考えられます。
- エアコン取り付けによる、穴の大きさや数が通常と異なる場合
- エアコン撤去後の穴を、自己負担で修繕することが契約書で明記されている場合
- 所定の箇所以外に、エアコンを設置してしまった場合
- エアコン設置が禁止されている物件で、エアコンを設置してしまった場合
※エアコンの取り付け位置によっては、元の状態に戻すことが困難な場合があるため、修繕費用を負担する必要がない場合もあります。
貸主や管理会社により考え方は様々です。
エアコンの取り付けや撤去に伴う原状回復費用の負担の原則は、契約書に基づくということです。
賃貸借契約書に原状回復の明記や特約がある場合、常識外の内容でなければ契約内容が優先されます。
エアコン設置時は契約書を確認し、納得したうえで設置をしましょう。
契約書に明記がない場合や、契約書を見ずに設置し補修費用を請求された場合、後述する補修費用の交渉をしてみましょう。
問題やトラブルに発展した場合には、専門家のアドバイスを受け、適切な対応を行うことを心がけましょう。
私で良ければ相談にのります。
エアコン穴の補修費用
エアコン穴の補修費用は、業者、穴の範囲や下地の状態により異なり、一概に金額を指定することはできません。
一般的な目安金額は下記のとおりです。
- エアコン穴の補修費用:1式 3,000円から10,000円程度
- エアコン穴のクロス張替費用:壁1面 5,000円から20,000円程度
エアコンの穴は自分で補修できる
契約内容によりますが、賃貸物件のエアコン跡はDIYで補修することも可能です。
壁にあいた穴の補修方法は大きさや壁の仕上げにより異なります。
エアコンの穴は比較的小さい為、修復材で簡単に隠すことができます。
簡易的な補修であっても目立たなくすることができれば、請求されない可能性があります。
ダメもとで補修をしてみてはいかがでしょうか。
補修時のポイントは、以下の内容が挙げられます。
- 塗装の色合いや質感に合わせた修復を行う
- 壁面や天井の素材に合った修復方法を選ぶ
- 修復箇所の広さや深さに合わせた修復方法を選ぶ
- 修復に必要な材料や工具を事前に用意する
- 修復に自信がない場合は、専門業者に依頼する
一番シンプルで簡単な方法は、修復材の注入です。
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- 壁紙のピン穴、すき間に注入するだけで手軽に隠すことができます
- ホワイト・ライトアイボリー・ライトベージュ(各9g)の3本セット
- 壁紙に近い色を選んで補修できます
- 乾燥後は塗装が可能(24時間後)
穴が大きい場合は、パテ埋めをし補修する必要があります。
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- 市販のパテを使って、穴を埋めていきます。
- パテが完全に乾いたら、紙やすりで磨いて平らにします。
- 最後に、ペンキや壁紙で塗装することで、仕上げます。
壁の仕上げが漆喰や珪藻土の場合、プラスターで補修する必要があります。
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いずれの方法でも、穴の大きさや場所によっては、プロに依頼することが望ましいといえます。
本来、賃貸物件は、原状回復の観点から大家さんや管理会社に事前に相談する必要があります。
しかし、賃貸借契約書には「管理会社指定の業者による施工」と明記されていることが多くあります。
よって、ご自身による作業について許可が下りない可能性はあります。
ですが、エアコンの穴程度であれば、大きな問題(規約違反)となった事例は、私の経験上ありません。
補修が下手で指摘を受けてしまった場合、自身で購入した補修材等の費用と労力は無駄になってしまいます。
また、元々発生する予定だった補修費用も請求される可能性があります。
しかし、それ以上の請求はされにくいと考えられます。
価格交渉をする
原状回復に対する考え方は貸主や管理会社により異なり、慣習的要素が根強く残っている場合があります。
つまり、ガイドラインと真逆のことが契約書に書かれていることが、比較的多くあるのです。
ガイドラインに法的拘束力はなく、指標です。
法外な請求をされた場合、少額訴訟という方法もありますが、費やす時間と労力からメリットは少ないと考えられます。
きちんと契約書を読み解き、契約内容を理解したうえで、価格交渉をすることが最も効率的かつ現実的な選択ではないでしょうか。
価格交渉は喧嘩ではありません。
強い口調で責め立てるような言動は控えましょう。
まず必要なことは契約書に記載されている内容をきちんと理解することです。
エアコンに関する記述があり、ご自身に落ち度があれば、それを認めたうえで冷静に交渉しましょう。
記述がなければ、シンプルに割引、免除などできないかお願いしてみましょう。
まとめ
- エアコンの設置跡は原則貸主負担
- 契約書の内容によっては借主負担
- 補修費用の目安は1万円前後
- エアコンの穴は補修できる
- 請求された場合は価格交渉
エアコンを設置しようとしている方、撤去後の穴を見て不安を感じている方、この記事を読み、少しでも整理がつけば幸いです。