ペットと暮らす生活に憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。
部屋探でまず感じること、それはペット可物件が極端に少ないということ。
なぜこんなに少ないのでしょうか?
勝手に飼育したら何が問題なのでしょうか?
今回は賃貸物件のペットに関するポイントを解説いたします。
悩み、疑問
- なぜペット可物件は少ない?
- 飼育してもバレないのでは?
- 飼育していることがバレたらどうなる?
- 猫だけ不可、犬だけ可なのは何故?
- 鳥や金魚、爬虫類などは飼育できない?
- ペット可物件のルールは?
見解
この記事を読んでいる方の目的は「気に入った部屋でペットを飼いたい」という事ではないでしょうか。
実は、ペットの飼育は挫折する方が意外と多くいらっしゃいます。
とにかく物件が少ないためです。
そしてペット可でなくてもバレないのではないか、と考えます。
ペットの飼育はバレない場合もありますが、バレた時は強制退去や損害賠償などが必要となります。
特に、ペット可物件は、人気がない地域には意外と多く、人気がある地域はほとんどありません。
人気地域はペット可にする必要がない(入居してくれる)からです。
つまりこの記事を見ている方は、比較的人気のある地域で探している可能性が高いと言えるでしょう。
また、ペット可物件は基本「犬・猫」を指しますが、猫不可や大型犬不可の場合があります。
折角良い物件があっても、話を聞いてみたら結局見送るしかないという状況も多いのです。
よってペット可物件を探すときは
条件を妥協し
飼育したいペットを明確にし
ペット可物件に片っ端から連絡することが求められます。
不動産屋を上手に利用しましょう。
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
現在は年間約200本の賃貸借契約がメイン。
「満足度の高い取引の達成」を目指しましょう。
このサイトは、コンプライアンスを重視します。
常識から逸脱する行為は、事例として紹介することはありますが推奨はできません。
また、筆者の経験から派生した主観が含まれます。
ご意見、ご質問などお気軽にコメントください。
結論
- ペット禁止の理由は臭い、鳴き声、損傷汚損、危害
- 飼育したらバレる、バレない方法はない
- バレたら違約金と強制退去
- 猫禁止の理由は爪とぎ
- 鳥獣類は不可
- 原状回復は必要
- 自力でペット可物件を探すのは大変
この記事を読むと得られる事
- 賃貸動向と、実情の把握
- 賃貸知識と、知恵の習得
- 取引の疑問と、不安解消
- 判断力と、対応力の向上
それでは細かく見て行きましょう。
ペット可と共生型の違い
ペット可物件とはペットを飼育しても良い物件です。
ペット共生型物件とはペットと暮らすことを前提とした物件です。
大きな違いはペット専用設備があるかないかです。
専用設備とは、ペット用シャワーやトイレ、ドッグランやキャットタワー、キャットウォーク等。
ペット可物件は、ペットを飼育することが可能であるだけです。
ペット不可物件も、人気がなくなれば、ペット可にすることがあります。
ペットの種類
ペットには様々な種類があります。
問い合わせとして多い内容は下記の通りです。
- 猫
- 犬(小型、中型、大型)
- インコ、文鳥
- 金魚、熱帯魚
- うさぎ、ハムスター、モルモット
- ヘビ、トカゲ、イグアナ、亀
総称して鳥獣類等と呼びます。
ペット不可の理由4選
賃貸物件は原則ペットは禁止です。
一時的な預かりも禁止です。
では何故ペットは禁止なのでしょうか?
理由は大きく4つ。
ペットは少なからず臭いがあります。
特に排泄物の臭いは近隣からの苦情となる可能性があります。
また、長年飼育していると臭いは部屋全体に染み渡ります。
クロス張り替えを行ったとしても、臭いは除去できない場合があります。
ペットの鳴き声は騒音問題に発展することがあります。
特に集合住宅での騒音は、響きやすくトラブルに発展しかねません。
ペットを飼育すると、傷・汚れ・シミ等、部屋が傷む確率が上がります。
部屋の損傷は他の住人に迷惑はかけませんが、物件の資産価値が下落します。
当然修理費用は借主負担となりますが、貸し出した状態に戻すことは難しいのです。
大家さんが率先してペットを入れたがらない最大の理由と言えます。
共用部を毛や排泄物で汚される場合もあります。
ペットが他の住人に噛みつき、危害を加える可能性があります。
ペットアレルギーの方には健康被害を与えてしまう可能性もあります。
貸す側としては、他の入居者に不安を与えると考えます。
そしてリスクを冒してまで許可をする必要性は低い、と判断されます。
ペット別の懸念事項、具体例は以下の通りです。
- 猫 → 爪とぎ、鳴き声、嘔吐、排泄物、毛、引っ掻き
- 犬(小型、中型、大型) → 鳴き声、排泄物、毛、噛みつき
- インコ、文鳥 → 鳴き声、排泄物
- 金魚、熱帯魚 → 水槽の水(地震や過失による、転倒、落下、割れ)
- うさぎ、ハムスター、モルモット → 排泄物、毛
- ヘビ、トカゲ、イグアナ、亀 → 排泄物、噛みつき
一般的にここまで細かい取り決めはなく、小型犬のみ可、犬・猫可程度です。
小動物は許可される場合があります。
ペット不可物件でも相談はできる
ペット不可物件であっても、相談は誰でも可能です。
稀に小動物は認めてもらえる場合があります。
しかし、犬・猫の交渉は極めて難しいと言えるでしょう。
他の入居者の兼ね合いもあるためです。
築年数が古く、空室が多ければ、交渉できるかもしれません。
賃貸物件の交渉におけるキラーワードは「契約します」の言葉です。
「ハムスターを飼育できるなら契約したい」と言ってみましょう。
交渉術はこちらの記事も必見です。
賃貸物件、交渉のコツは?家賃交渉、初期費用や月額費用、条件、タイミング等の交渉術を伝授。飼育はバレる?バレたらどうなる?
バレない方法を探している方には申し訳ないのですが、バレない方法はありません。
というより、あったとしても契約違反となる行為につき推奨しません。
ペット禁止を理解した上で、無断で飼育する方もいますが、将来的にはバレてしまうことが多いでしょう。
窓越しにペットが見えたり、不具合や点検で部屋に入室する必要があったり、臭いや鳴き声など近隣から苦情が入ったりする為です。
さらに、退去時は担当者による室内チェックを行います。
ペットを飼育していた部屋は、臭いが残り、傷、しみ、汚れ、毛などの物的証拠が出てきます。
経験豊富な担当者は、入った瞬間に分かります。
当然バレない場合もあります。
飼育がバレたら損害賠償費用を支払う必要があります。
金額は契約書に明記されている場合もありますが、部屋の状況によっても異なる場合があり、取り決めはありません。
さらに損傷、汚損箇所の原状回復費用も支払う必要があります。
契約違反をした側に明らかな非があります。
高額請求にも対抗することは難しいと言えるでしょう。
特にフローリングは高額となる傾向にあります。
飼育がバレたら退去を言い渡される可能性があります。
契約違反による強制退去です。
しかし強制退去は事例として割合は低いです。
ペットの飼育をやめれば、許される場合があるためです。
やめれば良いという問題でもありませんが、現実的には苦情になっていなければ、分かっていながら黙認する管理者もいるのです。
無断飼育は高額請求、強制退去。
ペット可物件の基本ルール
ペットの飼育が認められた場合、ルールを守りましょう。
契約書や覚書、管理規約等に明記されています。
比較的多いルールはこちら。
ペット可物件の探し方
まず希少性の高いペット可物件の特徴を把握しましょう。
- 物件が少ない
- 理由は需要が多く、供給が少ない
- 物件選定はしやすい(検索条件が明確、絞り込みがしやすい)
- 割高(近隣相場+5%〜10%)
- ライバルが多い
- 好条件はすぐなくなる
- 人気がない地域には比較的多い
ペット可物件に限らず、希少性の高い物件は同様の傾向にあります。
検索条件は他の人と重なるものです。
あなたが検索する条件は、他の人も検索しているということです。
例えば
- 大学周辺 → 1K・1R
- 新婚 → 1LDK
- ファミリー → 2LDK
- 音楽大学周辺 → 楽器可
- 海周辺 → 外シャワー、サーフボード置場有
- 大手企業 → 10キロ圏内
- 自然豊かな立地、大きな公園、ショッピングモール周辺 → ペット可
それぞれのエリアや属性で検索条件は偏り、必ずライバルがいます。
企業の移転等で、急激に供給不足(過多)に陥るような地域もあります。
そしてペット可物件はそもそもの供給量が不足しているのです。
これらの特徴から分かること、それは条件の妥協とライバルに負けない行動力が求められる、ということです。
SUUMOなどのポータルサイトで「ペット可」「間取り」「立地」を選択し、片っ端から問い合わせをしましょう。
問い合わせをする目的は、ペット飼育の可否です。
ペット可と記載はあっても猫はダメとか、2匹はダメとか、結局振り出しに戻ってしまう為です。
あなたの希望するペットが飼育できるか、まず確認をしましょう。
好立地のペット可物件はほとんどありません。
条件を緩和し、再検索をしましょう。
ペット可物件は物件数が少ないため、これを日々繰り返すことになります。
部屋探しは妥協点探しです。
ペット飼育の場合、目的を達成するために、大きな妥協が必要となる場合があります。
部屋探しはネット検索が基本です。
ペット可物件は絶対数が少ないため、気に入る物件も少ないです。
SUUMOを眺め続け、何年も経過してしまう方も数多く存在するのです。
見学はしたいけど、見学する価値もない。
そもそもの土俵にあがれず断念している方。
毎日のように新着をチェックしていたが、検索する気も無くなった、という方もいるでしょう。
ペット可物件の部屋探しは、労力をできる限り削減する必要があるのです。
物件検索のコツは、検索と選定の手間を削減することです。
SUUMOなどのポータルサイトでは検索条件をお気に入り登録することができます。
条件は毎回入力するのではなく、ワンタッチで検索しましょう。
イメージ画像↓
また、条件にあった新着情報を通知する機能もあります。
検索の手間すらなくなります。
賃貸情報は鮮度が命、物件確保は初動が大事です。
物件が不足しているエリアでは、物件の取り合いが発生します。
条件の良い新着情報は、掲載された瞬間に問い合わせが殺到します。
部屋の確保は先着順です。
いかに早く動いたかが命運を分けます。
鮮度の高い情報をいち早く掴み、初動速度を意識しましょう。
不動産屋はレインズというシステムや地主、建設会社等から物件を仕入れ、SUUMOに掲載します。
よって掲載前の、未公開物件のような情報は実際に存在します。
例えば10社の不動産屋に条件を伝えておけば、それぞれの新着情報を提供してくれるでしょう。
しかし、基本的には物件の仕入れと公開作業はルーティン化されています。
特別な事情を除き、あえて非公開にしておく理由はなく、物件を仕入れたらすぐに募集を始める必要があります。
また、ネット情報が主流となった現代において、不動産情報は検索すれば大概ヒットします。
よって不動産業者への依頼は、希望する地域の不動産屋2~3社ほどで十分ではないかと考えます。
さらに、ネット社会において、賃貸情報はどの不動産屋も類似します。
よって私が推奨する不動産屋もありません。
良い取引は担当者で変動します。
賃貸仲介業者の選び方、部屋探しの満足度は担当者で決まる、を解説。SUUMOは不動産屋が物件を掲載することができるだけの媒体です。
よって検索や新着通知は可能ですが、応用力はなく選定や提案もありません。
不動産屋には劣るのです。
不動産屋に条件を伝え物件の検索、選定、提案までお願いしてしまいましょう。
不動産屋は以前より仕事が減り楽をしています。
なぜなら検索と選定をお客様が済ませ、提案までしてくれるからです。
見学に連れていくだけで良いのです。
かといって仲介手数料が安くなるわけではありません。
本来、検索・選定・提案は、不動産屋が実施すべきと考えます。
つまり不動産屋はどこでもよく、不動産屋に丸投げすることが最も効率的といえます。
不動産屋は信用できる知り合いや、担当者がいるとベストです。
特にいなければ下記のような仕組みを活用し、提案を待ちましょう。
提示された物件で吟味し、効率よく探しましょう。
まとめ
- ペット禁止の理由は臭い、鳴き声、損傷汚損、危害
- 飼育したらバレる、バレない方法はない
- バレたら違約金と強制退去
- 猫禁止の理由は爪とぎ
- 鳥獣類は不可
- 原状回復は必要
- 自力でペット可物件を探すのは大変
現在入居中のお部屋がペット禁止であれば、強行して飼育することは避けましょう。
ペット可物件の部屋探しは物件数が少なく、難易度が高いです。
部屋探しは妥協点探し、理想の部屋との出会いはタイミングです。
ペット可物件を探すと決心された方は、不動産屋を上手に利用しましょう。